LoRガイドブック
ドラマ版「力の指輪」に向けて、少しずつロードオブザリングの世界を復習していこうかと思い図書館で借りた一冊、
『ロード・オブ・ザ・リング -『指輪物語』完全読本 (角川文庫)』。
中盤の『ホビット』『指輪物語三部作』の解説含めたダイジェスト・あらすじが
なかなかわかりやすく、映画だけ観て小説未読の僕でも楽しめました。
指輪物語の元ネタは、
北欧神話や文学にその源を持つ事例をたくさんみつけることができる、というのが
全編にわたって書かれています。
この本の中で特に印象に残ったのが、
ジークフリート物語からたくさんの要素が指輪物語に引き継がれているという話。
具体的に8つあげられていて、
- 宝物を護る竜
- 所有者に力を与えるが、同時に恐るべき呪いをもたらす魔法の金の指輪
- 宝物とともにある「見えなくさせる護符」
- 無防備の場所を狙って、竜を殺すこと
- ふたたび接ぎ合わされる折れた剣
- 二人の妖精や巨人が指輪をめぐっていさかいを起こし、片方を殺してしまう
- 指輪を所有する邪悪な小妖精が指輪のために生命を落とすこと
- 指輪の呪いが死ばかりでなく、道徳的堕落や所有欲を所有者すべてにもたらす
トールキン自身が「神話を現代化し、信じられるものにしようと試みた」と言ってるそうで、ここまでそのままだとちょっとびっくり。
「王の帰還」は特に政治的な臭いがするけれども、
トールキンが語る内容を読むに、
現実世界の戦争や政治とダブらせて読まれるのは好きじゃないとのこと。
指輪物語は心の平和を探しに行く物語。
『指輪物語』はどのようにして書かれたのか など発想の部分も興味深く、
原典さがしが好きな方はぜひ図書館で読んでみては。