空飛ぶ海外コメディブログ

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指輪の力―隠された『指輪物語』の真実を読んだ感想

ロードオブザリングの世界

ドラマ版力の指輪の予習として、『指輪の力―隠された『指輪物語』の真実』(ジェーン チャンス著・井辻朱美訳)を図書館で借りたので、軽く紹介しようかと。

大学で英文学を教える著者が、「中つ国」における差異、言語、共同体といったユニークな視点から大胆かつ綿密な読解をおこなった本。

個人的に気になった文章や感想を。

この偉大な作品は、善悪の本質、社会の価値、宇宙の自然な秩序、および個人の尊厳などに関する二十世紀竜の理解の好個の見本である。

機械化の進展および独裁国家の全体主義が蔓延し、個人の自由が重視されない時代背景に抵抗して、トールキンは<中つ国>の物語を書いた。 P22より

 

・60年代の反体制派による「神は死んだ」に対する「フロドは生きている」という対句があったそう。ヒッピー的な文化と結びついたのも面白い。

 

・阻害されているものに声を貸し与える物語で、
"よそものとしての自分”というトールキン(南アフリカ生まれ)でなかれば書けなかった作品。

 

・風変り(queer)なホビット
原文ではQuuerというワードが使われているのをはじめて知った LGBTQ的な読み取り方がされるのも当然かも。

 

指輪をその起源の場所にもどすことは、<一なるもの>すなわち画一性、同一性による支配としての権力を拒否し、差異や多様性の尊重を受け入れることになる。 P75

ほかのホビットとも異なっていたフロドこそが、このクエストにはうってつけだった。

 

・ヒトラーが台頭した時期に『指輪物語』を書き出した

 

・本人は「わたしは実際にホビットなのです(サイズをのぞけば)」と書いていたそう。

 

・指輪物語は登場人物の性格描写が表面的だ、と批判されることもあるそう

 

・トールキンは言語や命名を哲学的手段として感じ、中世言語への興味をもったそう。

 

「不調和の調和」

 

・ミシェル・フーコーとの比較

 

・「旅の仲間」「二つの塔」「王の帰還」をそれぞれ哲学的・倫理的に解釈しているのが興味深い。

 

ドラマ版『力の指輪』もあと一ヶ月ほどで公開。原作をあわてて読んでます。笑

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